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2011年11月30日 (水)

湯の丸 百体観音 第46番「聖観音」

今日の「湯の丸百体観音」は、第46番「聖観音」です。

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撮影した時期は、まだ紅葉の綺麗な季節でした。夕方だったため、紅葉の山に影を落とし始めています。

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道よりちょっと小高い林の中に46番の「聖観音」は祀られていました。

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前回の45番で、「他力本願」の話を紹介しました。観音さまは、無信心であっても一生懸命に努力する人には後押しをしてくれますが、もなまけものにはお仕置きをするという昔話を紹介します。

昔々、ある村に仕事にも飽きて一日中ごろごろしている怠け者が居ました。「あー。仕事にも飽きたし、毎日うめーもん喰って寝て暮らしてーなー。」そんなことを考えながらごろごろしていましたが、急に。「そーだ。観音さまは何でも願いを叶えてくれると聞いたことがある。観音さまにお願いしてみるか。」そんな都合のいいことを思いつくと、さっそく願掛けに出掛けました。「観音さま、おらもう仕事に飽きた。これからは毎日うめーもん喰って楽をして暮らしてー。」そう願掛けするとまた家に帰り、ごろごろすると寝てしまいました。すると、夢枕に観音さまが現れ、「あなたの言うことはよくわかりました。明日朝になったら私の背中の方向に真っ直ぐ行きなさい。そこに願い通りの場所があります。」というのです。青年は久々に早起きをすると、言われた通り観音さまの背中の方向に野を越え山を越え歩き始めました。早起きをした朝日は気持ちよく、どんどんと進んでいきました。野山には花が咲き乱れ、木の実や果物が沢山有りました。昼時になり、若者は山の果物で空腹を満たしました。「おかしいなー。この場所がその願いの場所なのかなー。」そんなことを思いながら先を進むと海に出てしまいました。そこには若者が夢見た世界はありませんでした。困り果てた若者は、傍らの民家に行ってここはどこなのか尋ねることにしました。その民家には老婆が居て、若者がここに来るのが分かっていたかのように「海岸で待っていれば迎えの船が来るのでそれに乗っていきなさい。」というのです。しかし海岸で待っていても、一向に迎えが来る気配が有りません。若者は暇つぶしに傍らにあった釣竿を拝借し、釣りをはじめました。するとどうでしょう、釣れること釣れること。面白いように魚が釣れました。日も暮れようとする時間にもなっていたため若者はその魚で空腹を満たしました。そうこうしているとそこに老人の乗った船が近づいてきました。「お迎えに上がりました。ささこの船に乗ってください。」そう促されると青年は言われるまま船に乗り込みました。日も暮れ、いつしか船で寝てしまい、気づくと夜も空けて見覚えのない島に到着するところでした。島に着くと、案内人がお城のような立派な家まで案内してくれました。家に着くと大きな綺麗な部屋に案内され、「こちらがあなたのお部屋です。毎日、ご希望のごちそうを運んでまいりますのでお腹いっぱい召し上がりください。」そういうと案内人は部屋から出て行ってしまいました。さっそく朝飯のころだったため山ほどのご馳走が運ばれてきました。若者は三度三度ご馳走を運んでもらい遊んで暮らしました。しばらくの時が過ぎ、若者はすっかり太ってしまいました。ある晩、暇をもてあそんだ若者はこの御殿のような家がなんなのか不思議に思うようになり、家を回ってみることにしました。家は恐ろしいほど広く、いくつもの部屋で自分と同じような太った人がごろごろしていました。いつしか地下の階になりある部屋の前に来ると中からうめき声とも悲鳴ともいえない声が聞こえてきました。戸の隙間から覗き見ると部屋の真ん中にはぐつぐつと煮えたぎる釜があり、天井から太った人が吊るされていて、釜の周りには赤や青色の鬼が立っていました。事の事情を悟った若者は、その場から一目散に逃げ出しました。しかし、外の気配に気づいた鬼たちが血相を変えて追いかけてきました。どのように逃げたか訳のわからないまま何とか城の外まで逃げ出すと、元来た海岸にたどり着きました。そこにあった船に飛び乗るとひたすらこぎ続けました。一晩漕ぎ続けると運よく見覚えのある海岸にたどり着きました。昔来た道を戻るとやっと観音さまの背中が見えてきました。しかし、自分の家は朽ち果て、見るも無残な状態になっていました。青年は気付くと、観音さまに「これから一生懸命仕事しますから許してください。」とひざまづいて祈っていました。青年は、山には山菜や木の実が、海には沢山の魚が居ること、そして朝のすがすがしさを思い出し、来る日も来る日も朝から山の物、海の物を隣の村々に売って歩きました。新鮮な若者の品が評判となりいつしか奉公人を使うほどの暮らしが出来るようになりました。若者は村一の大金持ちに、そして村一の観音さまの信者になったということです。

   

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